十種神宝 中学国語の基礎・基本

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授業中の教師の振るまい……怪盗キッドを見習おう

ダウンロード (6)©青山剛昌小学館読売テレビ・TMS
 怪盗キッド
(二代目 本名=黒羽快斗は『名探偵コナン』に登場する江戸川コナンのライバルです。とてもマジックが得意で、その腕前はラスベガスでもすぐにステージへ上がれるほどと評されています。

 「教師は五者」の中にはありませんが、授業ではマジックの要素がとても重要です。

   良いマジックショーをするには、どんな方法があるのでしょうか。

 手品師がいくら素早い手さばきでタネの部分を行っても、それを観客が直視していたらタネが見破られてしまうかもしれません。そこで手品師は、例えば、右手に客の意識を集中させ左手でタネを取るというように、巧みに観客の意識を誘導します。これをミスディレクションといいます。
 観客は手品師の視線を常に追っています。ですから右手に客の意識を集中させたいときは、手品師は自分の右手を見るのです。右手を見ながら左手でネタを仕込むのですね。
 授業も同じです。先生が手元のフラッシュカードを見ていたら、生徒もみんな先生の手元を見ているのです。この時フラッシュカードを選ぶのに手間取っていたら、生徒は先生が何をしようとしているのか、心の動きを見破ります。ましてや、指導案や赤本を見ながら授業をしていたのでは、生徒にバカにされてもしかたがありません。
 手品師が観客の意識を右手に集中させて左手でタネを取るように、生徒の方をしっかり向いて“教師の喋り”などに意識が向くようにします。できれば自分の意識も“喋り”に集中させて、手だけでカードを探すのです。(うまくやるためには周到な準備と練習が必要ですね。)
  • タネよりも見せ方
 台本の台詞を完璧に覚えただけでは良い演劇ができないのと同じで、タネを完璧にマスターしても、良いマジックにはなりません。簡単なマジックでも見せ方によって大きく変わってきます
 授業も同じです。タネをマスターするのは教材研究の中の素材研究に過ぎません。それ以上に、見せ方の研究……指導法の研究が大切です。プロは見せ方を徹底的に研究しています。そして、見せ方の違いによって効果がまったく違うことは、実際授業をした時、実感されるものです。

  • 観客の視線を意識する
 手品師は、まず一通りの手順を本など読みながら一つの手品をマスターします。次に、鏡の前で何度も何度も練習します。しかし実際演技してみると、うまくいかないことが多いそうです。本番には、鏡の前の練習にはない観客の視線があるからだそうです。
 授業も同じです。常に前に生徒がいるのを想像して、遠くを、大きく見て授業をする必要があります。これが指導案を書く意味の一つです。それができたら、先輩の先生などに、本番さながらの授業を受けていただくのもよいですね。研究授業の前には、必ずやりましょう。
 しかし、このように完璧を期したつもりでも、どうしても本番で失敗してしまうことがあります。人間である以上、失敗はつきものです。しかし、プロには失敗が許されません。そこで失敗をも失敗と見せないような対処方法をマスターしていることがプロには要求されているのです。
  • 笑顔の重要性
 意外に重要なのが笑顔です。手品師の初心者は、本番でマジックを失敗せずにやることに集中し過ぎて、緊張し、顔がこわばり、結局、演技全体が重い雰囲気になって、見ている方もはらはらして、心から楽しめないと言うことがあります。そこで、まず練習して技術を身につけたら、次に鏡を見ながら笑顔の練習をするそうです。
 生徒が、うまくできるかはらはらしながら先生の授業を受ける、というのが認められるのは、教育実習生の授業くらいでしょう。たとえ初任者といってもプロですから、生徒にそんな気持ちを抱かせたら負けです。
 きれいなつくり笑顔ができると言うことは授業でも大事なことだと思います。授業の見せ場、見せ場でつくる笑顔、自然と生徒から心の中で大きな拍手が浴びせられるはずです。
 難しい主眼をもった授業にわざわざチャレンジしなくても、笑顔をはじめとした演出に力を入れた方が、全体としてはまとまった良い授業になるはずですよ。


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