十種神宝 中学国語の基礎・基本

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授業は ニュースか エンターテイメントか

 「手品は手が1つ、口が3つ」と言われます。手品は手の技術よりも、口の話術が3倍大切である、という意味です。
 手品師にとって手の技術は基礎中の基礎ですので、大切と言うよりも、マジックには欠かせません。
 しかしマジックが面白いかどうかは、話術が大きな要因になります。口で説明をしないと内容が観客に伝わらないマジックの場合、単なる説明だけでは面白くないし、盛り上がらないのです。

 「盛り上がる」話し方とはどんな話し方でしょう。
 テレビのニュース番組とスポーツ番組を比べてみましょう。
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 ニュース番組のアナウンサーは感情を込めた言葉ではなく、聞き取りやすい言葉で原稿を読みます。しかし、スポーツ中継等はエンターティメントですから感情を込めて盛り上げる言葉で実況をしています。

 授業はニュースでしょうかエンターテイメントでしょうか。

 いくら考え抜かれた教材研究がなされていたとしても、棒読みの説明では生徒を楽しませる事が出来ません。授業のセリフには、スポーツの実況と同じように感情や緊張感を込めて話さないといけません。そうでないと、観客の感情を動かす事が出来ないからです。
   授業を盛り上げるしゃべり方のコツは、いくつかあると思います。
  • 早口にならないように、ゆっくり間を置いて話す
 生徒に伝わりやすく聞き取りやすい言葉で話す事が基本です。人は緊張すると早口になりやすいもの。私たちは生徒には見えないように準備を進めながら話しをしないといけません。そのせいか早口になってしまう人もいるようです。
 早口にならないためには、句読点を意識して「間」を置いて話すことがポイントだと思います。
 例えば「教科書の25ページを開いてください」というセリフに句読点を付けられる部分は「教科書の、25ページを、開いてください。」となります。この「、」の部分に「間」を少し入れて話すのです。それだけで、かなり聞き取りやすくなるはずです。
 ただし「間」がないのも「間」がありすぎるのも「間抜けの喋りです。変にならない程度に意識するだけで大丈夫です。NHKのアナウンサーが良いお手本です。
  • 重要な言葉を強調して話す
 生徒に特に伝えたい重要な言葉は丁寧に強調して話し、そうでない言葉は流すように話しましょう。
 例えば、生徒に挙手させたい時の「ワークシートに書いた答えを発表しましょう」というセリフを考えてみましょう。ただ挙手させたいのならば「発表しましょう」を丁寧に強調して話します。しかし、ワークシートに自分の答えは書いてあるのに挙手したがらない場合は、「書いた答えを」を強調し、少し間を置いて笑顔で「発表しましょう」と話します。それだけでも、棒読みのではなく、まるで感情を込めた言葉のように伝わり、先生がやってほしいことを生徒は理解し、挙手するようになると思います。
  • 言葉に感情を込めて話す
 実際に言葉に感情を込めましょう。
 生徒に緊張感を与えたいときは緊張感のある言葉で話し、盛り上げたいときはテンションの高い盛り上がる言葉で話すのです。
 もちろん、それには経験や「馴れ」が必要なのですが、テレビやラジオ番組が非常に参考になると思います。
 それ以外に、感情を込めるコツとしては、やはり「」を意識することが大切だと思います。「」は観客に緊張感を与える事が出来ます。「タメ」とも言いますね。
  • 観客の顔を見て話す
 一番大切なのは、生徒の顔を見て話すことです。
 私たちは手元でいろいろ次の準備を進めながら話をすることがあります。そんな時は、つい意識が手元の方に行ってしまい、うつ向き気味で、話すことが多いようです。
 しかしそれは、生徒から見ると下を向いて話しているので、何だか暗く自信が無さげに話しているように見えます。
 ですから、ちゃんと生徒の顔を見て、正面を向いて話すことを意識しましょう。もちろん、そのためには心に余裕を持つことが、とても大切です。


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