宿題の出し方を工夫しよう3……インセンティブをいかに与えるか
人間は環境の生き物です。
私たちの脳は、取り巻く環境や過去の経験などの影響を常に受けています。
個人の性格も無関係ではありませんが、育った環境や今置かれている生活環境、過去の経験などにより、人間の考え方や意識の持ち方は変わってきます。
人間が行動するための動機として、その根底には報酬の存在があります。
報酬とは、給与・金品に限らず、喉が渇いているのであれば「飲み物」、お腹が空いているのであれば「食べ物」、退屈しているのであれば「脳への何らかの刺激」など多種多様です。
インセンティブがある代表的な職業は営業職です。
固定給+インセンティブ、いわゆる成果型報酬が支払われ、自分の給料を上げるためにやる気になり、その結果会社の売り上げも上がり、個人も会社も目的を達成することができてめでたしめでたし、となるわけです。
(現実にはそううまくはいきませんけどね。)
インセンティブとは「働いた分に応じた成果報酬」という意味がありますが、その成果報酬はお金だけではありません。
「宿題」に対しては、どのようなインセンティブを与えることができるのでしょうか。
インセンティブには5つの種類があると言われています。
① 物質的インセンティブ
いわゆる成果報酬型金です。
学校ではお金を払うわけにはいきませんが、
「やればやっただけ成績があがる」が物質的インセンティブにあたると思います。
しかし、やらなくても高い点数をとる生徒もいれば、いくらやっても成績が上がらない生徒もいます。
成績は客観的な評価でなくてはいけませんから、
「一生懸命やった分だけ良い成績をつける」というようなことをすると、信頼を失います。
②評価的インセンティブ
その名の通り、生徒を評価することでやる気を駆り立てたり持続させたりしようとするインセンティブです。
これには心理的評価と地位的評価がありますが、宿題に関して言えば、ほめたり期待するといった心理的なものが有効です。
教師が「今日もがんばったね」とか、良い点数がとれなくても「しっかりやってることは知っているよ、がんばれよ」というように
先生が一言声をかけてあげるだけで効果が期待できます。
学習ノートに一言励ましの言葉を書き加えるだけでOKです。
③人的インセンティブ
先生の人間性によって生徒のやる気を持続させるものです。
部活などでよく見かけます。
宿題に関して考えると、
全く宿題をやらない(やる気のない)生徒に
「自分を認めてくれる先生のために、しっかりこの宿題をやってこよう」と思わせるものが
このインセンティブにあたります。
これは先生と生徒との関係が大切であることは言うまでもありません。
理念的インセンティブとは、理念によって生徒のモチベーションを持続させようとするものです。
NPO法人とかボランティアなどが良い例ですね。
AppleやGoogleなど独自の理念がある企業も、これが無意識的に発揮されていると言われます。
共感させることによってモチベーションに働きかけるインセンティブです。
学校では無言清掃とか自問学習がこれにあたりますが、
宿題にこれをあてはめるのは難しいと思います。
NPO法人とかボランティアなどが良い例ですね。
AppleやGoogleなど独自の理念がある企業も、これが無意識的に発揮されていると言われます。
共感させることによってモチベーションに働きかけるインセンティブです。
学校では無言清掃とか自問学習がこれにあたりますが、
宿題にこれをあてはめるのは難しいと思います。
宿題を通して生徒が望んでいることが実現していくことで、やる気を持続させることです。
宿題にやりがいを持たせたり、これをやり通すとどうなるかという夢や希望を与えることでやる気が持続します。
私は「学習ノートはなるべく気に入った薄いノートを準備する」ように言って、
何冊やったかを目に見えるようにし
一冊終わる毎に賞状を渡す等の工夫をしていました。
これらのインセンティブは、
学校や教科全体で公的な評価基準をつくることが大切です。
そうすれば成績に反映させることができるようになります。
その場合「出した・出さない」という基準はいけません。
なぜなら、それが明らかになると「宿題を出すこと」を目的化してしまう生徒が出てくるからです。
私たちは常に
「出した・出さないでは評価しない。やってきた内容を見て評価する。出さなかった場合は評価できないので、美術や技術で作品を出さなかった評価と同じにする。」
と生徒に伝えていかなくてはいけません。
なぜなら、それが明らかになると「宿題を出すこと」を目的化してしまう生徒が出てくるからです。
私たちは常に
「出した・出さないでは評価しない。やってきた内容を見て評価する。出さなかった場合は評価できないので、美術や技術で作品を出さなかった評価と同じにする。」
と生徒に伝えていかなくてはいけません。
そして「内容で評価している」ことをアピールする意味でも、
提出されたノートに一言コメントを書くことは大切なことです。
しかしコメントを書くことによって自分たちの首を絞めてはいけません。
私たちの労力が軽減されるような書き込みの仕方を工夫すると良いと思います。
また、一生懸命やってもなかなか成果があがらない生徒とか、
なかなか成果が現れない領域があると思います。
やればやった分だけ成果があがればよいのですが、
逆に成果が出ない場合は他人の活躍を目の当たりにすることによって、モチベーションが下がることもあります。
成果が出ずにモチベーションが下がる生徒に対する配慮を決して忘れてはいけません。
なかなか成果が現れない領域があると思います。
やればやった分だけ成果があがればよいのですが、
逆に成果が出ない場合は他人の活躍を目の当たりにすることによって、モチベーションが下がることもあります。
成果が出ずにモチベーションが下がる生徒に対する配慮を決して忘れてはいけません。
実は、インセンティブが明確になくてもやる気のある生徒がいます。
この「やる気」の正体は「成長」ではないかと言われています。
やる気の動機付けが外部からではなく、
内部、つまり自分でやる気を出すことができるのが「成長」なのです。
「成長」は、目には見えません。
また本人が自覚することは難しいと思います。
私たちは生徒の「成長」をしっかりと見つめ、
それを認める目を養わなくてはいけないと思います。
また本人が自覚することは難しいと思います。
私たちは生徒の「成長」をしっかりと見つめ、
それを認める目を養わなくてはいけないと思います。