十種神宝 中学国語の基礎・基本

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アクティブラーニングにグループ学習を1……授業は全滅していませんか?

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「全滅」という言葉があります。
軍隊では「3割死傷で全滅」といわれているようです。
第二次大戦の米軍資料では、人員損耗率が攻撃において、師団20%、歩兵連隊30%、歩兵中隊40%に達したときが戦闘力の限界であったといわれました。
5割だったら「壊滅」です。

ゲームとは違いますね。

授業中思考を停止している生徒は何人くらいいましたか?
もし30人学級で3人いたのなら学級の1割です。
10人……2列分くらいの生徒の意識が授業から戦線離脱していたとしたら、
その授業は「全滅」判定が出ても文句は言えません。

授業が全滅かどうか、判定を出すのは生徒なのです。

授業が「全滅」や「殲滅」の判定をくらう前に、なんとかしましょう。

そんな時、お役に立つのが「グループ学習」です。

 

グループ学習は、「アクティブラーニング」との関係で話題にのぼることの多いようです。
ゆとり教育」の中でも盛んに行われていました。

では、「グループ学習」って、何なのでしょうか。

佐藤学氏は、日本で普及しているグループ学習には3種類あるとしています。
  1. 班学習と呼ばれる「集団学習」
  2. 協力学習による「話し合い」学習
  3.  協同的学びにおける「グループ学習」
1は、班のまとまりを重視する学習です。
修学旅行や登山等の形を思い浮かべればわかりやすいでしょう。
班員一人一人がそれぞれの役割を果たすことによって班の目的を、ひいては全体の目的を達成していくタイプのものです。
これは集団主義(集産主義)の伝統に基づくもので、1930年代から1960年代に流行しました。

2は、最も普及しているタイプです。
班で決めた目標に向かって、一人ひとりが支え合いながら行う学習方法です。
班の中では、「話し合い」が行われ、班員一人一人が目標を立てながらも相談しあって問題を解決していきます。
“One for all, all for one.”というやつですね。

3は、佐藤氏の提唱する「学び合い」学習における考え方です。
男女混合の4人グループで、必要なら互いに聞き合うという関係で学習しましょう、というものです。

私は、学習の成果は個人が享受するものだと思います。
従って、学習は個人で行わなくてはいけないと思っています。

授業に対して後ろ向きの生徒に、どのように前を向かせるか……。
授業が「全滅」判定が出そうになって最も即効性があったのは、
3の「グループ学習」でした。

4人グループで

佐藤氏によると、グループは男女混合の4人を基本とするのが望ましいそうです。

男女混合にするのは協同の思考を活性化するためです。
みんな勉強しているから自分もやらなきゃマズいと思わせる、ということです。
お年頃ですから、異性の目ってきになりますよね。
男子だけ・女子だけというグループは、授業と関係のないおしゃべりを始める場合があります。
それをやりがちな生徒……クラスに必ずいますよね。

4人というグループの単位は、すべての生徒が対等に聴き合い学び合うのに、最適だからだそうです。

5人以上になると、「お客さん」が発生します。
誰かが仕切ってくれれば「自分は関係ない」と思ってしまう生徒がでてきてしまいます。
2対3になることもあります。
特に男女混合の場合、男子対女子に分かれてしまいます。

これらは戦線離脱の温床となります。
5人になるのなら3人グループを作るべきだそうです。

この4人グループは生活班と同じである必要はありません。
理科や技術家庭科の班は、最初から生活班ではないはずです。

授業中「はい、この4人がグループ。席を向かい合わせて!」と指示を出せば、1分で終わりです。