信じるもののために戦え
- 挨拶は自分からせよ
- わからない時には自分から教えてもらえ
- 実践ノートを必ず書け(授業記録を残せ)
- 教室設計せよ(教室環境を整えよ)
- 学級を設計せよ
- 授業の計画を立てよ(指導案を書け)
- 責任は自分のこととして考えよ
- 本を読め
- 他人より10%程度努力をせよ
- 研究授業は進んでやれ
括弧内は筆者補足 『現代教育科学』4月号(1985 No,341)
小学校の教師であった向山は、10分間で跳び箱を全員に跳ばせる方法を開発し(斎藤喜博のパクリという説もあります)発表しました。
- 優れた教師が授業の技術を自分だけの「名人芸」にするのではなく、そして困っている先生が一人だけで苦しむのではなく、先生方がそれぞれ持っている教育技術・方法を情報交換し、全国の先生の共有財産にしていくことが必要だ。
そして「授業・教育にすぐに役立つ教育技術・指導法を開発し、集め、互いに追試し、検討しあって自らの授業技術を高め、そのような技術や方法を全国の教師の共有財産にしよう」という趣旨で、1983年に教育技術の法則化運動(現TOSS)を設立しました。
向山が掲げた「教育技術の法則化運動」は以下の4つの原則を掲げていました。
向山が掲げた「教育技術の法則化運動」は以下の4つの原則を掲げていました。
- 教育技術はさまざまである。出来るだけ多くの方法を取り上げる。(多様性の原則)
- 完成された教育技術は存在しない。常に検討・修正の対象とされる。(連続性の原則)
- 主張は教材・発問・指示・留意点・結果を明示した記録を根拠とする。(実証性の原則)
- 多くの技術から,自分の学級に適した方法を選択するのは教師自身である。(主体性の原則)
この運動は「五色百人一首」等の優れた教材を開発し、
「追試」(研究授業でやったことを他のクラスでも再現可能か確かめることですよ……)「モンスターペアレンツ」「○○スキル」等の言葉を広めました。
一方「江戸しぐさ」「水からの伝言」「EM菌」といった疑似科学と考えられる内容も積極的に授業に取り入れており、批判されました。
「追試」(研究授業でやったことを他のクラスでも再現可能か確かめることですよ……)「モンスターペアレンツ」「○○スキル」等の言葉を広めました。
一方「江戸しぐさ」「水からの伝言」「EM菌」といった疑似科学と考えられる内容も積極的に授業に取り入れており、批判されました。
みなさん、この「法則化運動」設立の趣旨や4つの原則を読んで、どういう感想を持ちますか。
「法則化運動」の目指したものは、言葉をかえれば「こうすればこうなる」といった教師のノウハウの寄せ集めです。
ノウハウを集めることは確かに大切でしょう。
しかし「なぜこうなるのか」「こうなることにどんな意味があるのか」というしっかりした思想があってこそノウハウが生きるのだと思います。
「法則化運動」にはこの問いかけが決定的に欠落しているという批判が当時からありました。
では、先の「新卒教師のための十ヶ条」をもう一度見てみましょう。
- 挨拶は自分からせよ
- わからない時には自分から教えてもらえ
- 実践ノートを必ず書け(授業記録を残せ)
- 教室設計せよ(教室環境を整えよ)
- 学級を設計せよ
- 授業の計画を立てよ(指導案を書け)
- 責任は自分のこととして考えよ
- 本を読め
- 他人より10%程度努力をせよ
- 研究授業は進んでやれ