「シカの『落ち穂拾い』」2 授業の実際……テキストを逆に読んで検証していこう
生徒用の資料・解説はこちらのHPに載せてあります。
興味のある方はどうぞご覧下さい。
「シカの『落ち穂拾い』」の学習プリントを作成しました。
興味のある方はこちらへどうぞ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「シカの『落ち穂拾い』」の学習プリントを作成しました。
興味のある方はこちらへどうぞ。
第1時 何の話で、結論は何か
興味のある方はどうぞご覧下さい。
「シカの『落ち穂拾い』」の学習プリントを作成しました。
興味のある方はこちらへどうぞ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「シカの『落ち穂拾い』」の学習プリントを作成しました。
興味のある方はこちらへどうぞ。
第1時 何の話で、結論は何か
- 「何の話か、なるべく簡単に答えましょう」
題名がそうなっているからです。
- 「シカの『落ち穂拾い』とは何ですか」
これは、定義文を考えさせる発問です。
- 樹上の動物が落とした食物を地上の動物が採食するという行動
多くの生徒は、この「落ち穂拾い」の定義文を答えてしまいます。
しかし、発問に即してこの定義文を書き換えたものが正解です。
しかし、発問に即してこの定義文を書き換えたものが正解です。
- サルが落とした食物をシカが採食するという行動
- 「筆者が一番言いたいことは何ですか。一文で抜き出しましょう。」
説明的文章には、要旨が必ず書かれています。
それを発見させる発問です。
「それはどこに書いてあるか」と言われると、文章の最初から探そうとする生徒がいます。
そのような生徒がいた場合、「文章全体の中でどこらへんに書いてあると思う?言いたいことは最初か最後にあるよね。」と机間指導していきます。
説明的文章には「頭括型」「尾括型」「双括型」の3種類があるという指導です。
多くの生徒は、既にそのことに気づいていると思います。
それを発見させる発問です。
「それはどこに書いてあるか」と言われると、文章の最初から探そうとする生徒がいます。
そのような生徒がいた場合、「文章全体の中でどこらへんに書いてあると思う?言いたいことは最初か最後にあるよね。」と机間指導していきます。
説明的文章には「頭括型」「尾括型」「双括型」の3種類があるという指導です。
多くの生徒は、既にそのことに気づいていると思います。
「筆者の一番言いたいこと」という発問によって、下のようないくつかの答えが出てくると思います。
選んでくるのは、たいてい「考察」の中の一文です。
- 第一段落「シカにとってサルは~ありがたい存在であると考えられる。」
- 第二段落「しかし、一連の調査によって~わかってきた。」
- 第二段落「私は今回の調査を通じて~感じている。」
- 第三段落「動物たちにとってバランスのとれた生息環境を維持するために~喜びである。」
どれが筆者がこの文章を通して最も主張したいことなのか、生徒に考えさせます。
いろいろな意見が出てまとまらない場合は、文末表現を比較させます。
「説明的文章では、文の結び方までしっかりおさえましょう」と念押しをし、
いろいろな意見が出てまとまらない場合は、文末表現を比較させます。
- 「考えられる。」
- 「わかってきた。」
- 「感じている。」
- 「喜びである。」
「説明的文章では、文の結び方までしっかりおさえましょう」と念押しをし、
最後に「では、この結論は本当に正しいと言えるのか、次の時間に確かめてみましょう」と言って、終わります。
第2時 結論はなぜ正しいと言えるのか
この文章の結論は、「考察」の第一段落に書かれています。
- シカにとってサルは、
- 食物が乏しく栄養状態の悪い時期に、
- 自力では獲得が難しい、
- しかも栄養価の高い食物をたくさん落としてくれる、
- ありがたい存在である
「考察」のまとまりの最初の段落に書かれていますから、「考察」の部分は頭括型の文章であることがわかります。
- 文章全体では尾括型だが、意味段落に区切ると頭括型となることがある。
教科書や入試問題などでは、字数の関係から、このような書き方をする説明的文章が多いことを、生徒に教えておいてもよいでしょう。
この結論部をスタートとして、授業はこの文章を逆に読解していきます。
この結論部分は、1~5のパーツに分かれています。
そこで、各パーツを検証していきます。
そこで、各パーツを検証していきます。
- パーツ2 落ち穂拾いをするのは「食物が乏しく栄養状態の悪い時期」と言えるのか。
- パーツ3 落ち穂拾いで食べる食物は「自力では獲得が難しい」と言えるのか。
- パーツ4 サルは『栄養価が高い食物をたくさん落としてくれる』と言えるのか。
パーツ2「食物が乏しく栄養状態の悪い時期」は、「仮説の検証 一について」の最後から言えます。
- 「落ち穂拾い」が多く生じる春は、シカ本来の食物が不足している時期なのである
これはすぐに出てくると思います。
しかしこれだけでは「食物が乏し」い時期の部分しか対応していません。
すると「さらに、興味深いデータがある。」出始まる部分の最後
図3や岩手県の調査は、どちらの仮説の補足説明であるかを考えると、迷ってしまうことが多いと思います。
それよりむしろ、この調査は、結論のどこと結びついているか、に視点をあてるべきだと思います。
- 「栄養状態が悪い時期」というのはどこからわかるのか。
すると「さらに、興味深いデータがある。」出始まる部分の最後
- 春先は、一年の中で、シカの栄養状態が特に悪い時期なのである。
図3や岩手県の調査は、どちらの仮説の補足説明であるかを考えると、迷ってしまうことが多いと思います。
それよりむしろ、この調査は、結論のどこと結びついているか、に視点をあてるべきだと思います。
ここで指導したいことは、次のものです。
- 結論部と検証部分は、必ず対応していなくてはいけない。「食物が乏しく」だけのデータしか示せなかったら「栄養状態が悪い」という結論まで導くことはできない。科学的文章ではなくなる。一字一句に注意し、勢いで納得してはいけない。
- 結論部分に対応する検証部分は一箇所だけではないことがある。
- 結論部分に対応する検証部分には、同じ意味の言葉(「乏しく=不足している」、「栄養状態が悪い=栄養状態が特に悪い」)が必ず含まれる。言い換えに注意し、集中的にそれを探せば良い。
パーツ4「サルは『栄養価が高い食物をたくさん落としてくれる』のか」については、すぐに「仮説の検証 二について」が出てくると思います。
- サルの落とす食物は、シカ本来の食物よりも栄養価が高いのである
問題はパーツ3「自力では獲得が難しい」です。これはどこから言えるのか、生徒は迷うと思います。
「結論部と検証部分は、必ず対応していなくてはいけない」という鉄則に従い、「なぜそれが言えるのか」を考え、結論を導くのが生徒の学習です。
生徒は、次のように考えるでしょう。
「結論部と検証部分は、必ず対応していなくてはいけない」という鉄則に従い、「なぜそれが言えるのか」を考え、結論を導くのが生徒の学習です。
生徒は、次のように考えるでしょう。
- 「仮説の検証 一について」から「春は、シカ本来の食物が不足している」とあるから、当然「自力では獲得が難しい」といえる
- 「仮説の検証 二について」から「サルの落とす食物は、シカの本来の食物よりも栄養価が高い」とあるから、落ち穂拾いで得る食物は「自力では獲得が難しい」ものだといえる
- 「観察のきっかけ」のフィールドノートの絵からは、サルがいないと食物が得られないことがわかる。だから「自力では獲得が難しい」と言えるのではないか。
これをまず考えさせ、その考えをノートに書かせ、それを発表させていきます。
ここが、生徒が自分の考えを練り、それを出し合い、検証していく大切な場面となると思います。
・・・・・・・・・・・・・・
「シカの『落ち穂拾い』」の学習プリントを作成しました。
興味のある方はこちらへどうぞ。
・・・・・・・・・・・・・・
「シカの『落ち穂拾い』」の学習プリントを作成しました。
興味のある方はこちらへどうぞ。