十種神宝 中学国語の基礎・基本

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プリキュアじゃだめ! 変身はすばやく……授業の切り替えはすばやく!

0908logo©東映動画
 日曜日の朝といったら、ヒーロータイム。
 現在放映中の『スタートゥインクルプリキュア』は、一人当たり歌を歌いながら変身になんと1分以上かかります。現在5人ですから3分以上かけています。

 悪役のノットレイダーのみなさんは、その間変身が終了するのをじっと待ってくれています。
 よほど辛抱強いのでしょう。
 プリキュアに限らず「なぜ変身中に攻撃されないの?」というのは誰しも抱く疑問です。

 この疑問を解決してくれたのが、『宇宙刑事ギャバン』をはじめとするメタルヒーロー達でした。
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 「宇宙刑事シャリバンは、わずか1ミリ秒で赤射蒸着(変身のこと。筆者注)を完了する。では、赤射プロセスをもう一度見てみよう…」(『宇宙刑事シャリバン』ナレーションより)と、
 なんと1/1000秒で変身を完了する、という設定です。

 さて授業には、導入展開終末と三つの段階があります。
 導入は一般的に学習問題なり学習課題なりが据わるまでを指します。
 また終末はその時間の学習問題を解決してその時間をまとめ、ふりかえる時間です。

 導入の場面では、この時間に「何をやるのか」「どんな力を身につけるのか」目的や目標をしっかり持たないと「何をするための時間なのかわからない」「やらされている」授業になってしまいます。
 学習問題などは、授業が始まってからなるべく早くつかまないと、追究する時間を十分にとってあげることができません。

 また、追究の場面では、前向きの座席からグループの座席へ、またグループの座席から前向きの座席へ、座席の配置を変えるのにもたつくと、生徒の意識が途切れてしまいます。

 「見返し」「振り返り」の時間はプリキュアで言えば戦いを終わっての大団円のようなものでしょう。戦闘が終わったらエンディングもなしで物語が終わるのは、どうでしょうか。
 毎日の授業で「見返し」「振り返り」はきちんと確保できているでしょうか。

 授業のスタートから学習問題が据わるまでは何分くらいかけるのが良いのでしょう。
 席の配置を変えるには、どのくらいの時間かけさせるべきなのでしょう。
 まとめにはどのくらいの時間が必要なのでしょう。

 導入・展開・終末の場面の変化はヒーローの変身と同じです。
 変身が始まってから終わるまでに時間がかかっていたら、生徒たちは逃げ出してしまいます。
 「学びからの逃走」があってあたりまえです。

 学習問題等が据わるまでの時間、座席の向きを変える時間、大団円を迎えてエンディングテーマが流れる時間……。
 当然、教科やその授業のねらいによってこれらの時間は変わってくると思います。

 では、あなたは明日の授業で「導入の時間は何分以上かけてはいけない」と目標値を持っていますか?
 追究の場面で座席の配置を変える時の生徒の動作はどうですか?
 そして「何時何分までに追究を終わらせなくてはまとめの時間がなくなってしまう」と考えながら授業を進めていますか?

 確かに授業はライブのようなものですから、計画通りにはいかないことが多いと思います。
 だからといって計画がなくても良いと言うわけではありません。

 起承転結などのメリハリのないライブを行うアーティストはやがて観客に飽きられます。
 生徒たちは、プリキュアの悪役のように、授業の展開を先生の都合にあわせてじっと待っていてはくれないのです。